夕阳无限好,只是近黄昏 xīyáng wúxiàn hăo,zhĭ shì jìn huánghūn
→夕陽はこよなく素敵だが、惜しむらくは黄昏が迫っている。
原典は唐代詩人・李商隠作の五言絶句「楽遊原」。
解説;
都に近い高台から眺める広大なパノラマはまさに心のオアシス、
それゆえ、癒しの「楽遊原」は郊外随一の景勝地として都人に親しまれ愛されてきた。
その景観の中で輝くひときわ大きい真っ赤な夕陽は、見る人々の心を洗い、
すべての煩悩を忘れさせてくれるほどであっただろう。
官界で不遇に喘ぐ作者はそんな夕陽を見ているうちに、人生の様々な感慨が胸中を去来する。
夕陽は確かにとても素敵な存在だが、間もなく地平線の彼方に沈んでゆく。
代わって辺りは薄暗い黄昏が訪れ、続いて暗い夜がやって来る。
そう思った作者は、せっかくの行楽なのに心中の憂さは晴れず、心のオアシスを取り戻すことは叶わなかったようだ。
お日様の顔はさまざま—
昼間の明るくまぶしい太陽・雲間から顔を覗かせる太陽・真っ赤に染まって穏やかな夕陽・夕陽の残照を映す黄昏・夕陽は消え、
代わって月光が輝き、星が瞬く暗夜…。
こうした異なるさまざまな視点から大局的、全体的に夕陽を把握し,評価したのが「夕阳无限好,只是近黄昏」と言えそうだ。
いぶし銀の表現に説得力が秘められている。
(つづく 鄭青榮)