中国語あれこれ

中国流 説得スタイル ー表現解説集【第2話(A)】

《 中級会話エリアの穴場 》
【第2話(A)】経験則・生活の知恵で説得するスタイル

“你就当尝个鲜,我觉得味道挺好的”/旬を味わうつもりで食べてごらん、味はとてもいいですよ

シンプルな会話フレーズながらも、経験則や暮らしの知恵を忍ばせており、
それが説得の決め手となって、相手から同調、同意を引き出すパターンが少なくない。

★解説 :
▲例文1 “你就当尝个鲜,我觉得味道挺好的。nĭ jiù dàng cháng ge xiān,wǒ juéde wèidao tĭng hăo de. ”

→旬を味わうつもりで食べてごらん、いい味を出していると私は思うけど
――出された初めての料理を敬遠する相手に対して、「旬を味わってみたら」と
薦めるところがミソ。
味のよい食べ頃の魚介類・野菜などは普通、誰でも喜んで食べるもの。
それをむげに断るのは、気が利かない人か変わり者だと思われるのを嫌って、
結局、承服して試食することになるというわけです。
これは説得力に富む言い回しだ。

語注 ;●尝鲜 chángxiān;【動詞】取れたての物を賞味する/“当dàng”は動詞、「…とみなす」。

▲例文2 “我在餐馆里干活儿,有热饭吃。wǒ zài cānguănli gàn huór ,yǒu rèfàn chī.”
→私の職場は料理店でして、アツアツの御飯が食べられます

熱くて美味しい中華料理も、冷めると味が落ちてしまう。
“热饭rèfàn”“热菜rècài”にこだわる中国人のこのセリフから、
快適な食事に満足する気持ちが伝わってきます。

さすがは“民以食为天mín yĭ shíwéi tiān”/“吃饭要紧chīfàn yàojĭn ”
=人間は食事が一番大事だ”と声高に叫ばれる国柄。
ともあれ、毎日の食事が喫緊の最優先事項なのです。
料理店やホテルの従業員にとって、ホカホカの食事は大いなる楽しみというわけ。
ここでの“有热饭吃”は食事面の好条件に恵まれている意味を持つ。

例文:“他们家赚了大钱,如今不仅有豪车开,而且还有别墅住了。
“Tāmen jiā zhuàn le dàqián,rújīn bùjĭn yŏu háochē kāi,érqiĕ hái yŏu biéshù zhù le”
→あの家族は大儲けして、今では高級乗用車を乗り回したり、
別荘に住んだりすることができるほど高い生活レベルに恵まれている。

(つづく/鄭青榮)