中国語あれこれ

中国流 説得スタイル ー表現解説集【第2話(J)】

《 中級会話エリアの穴場 》
【第二話(J)】経験則・生活の知恵で説得するスタイル

养生养老贵在养心/養生養老で大事なのは養心である
没有消息就是好消息/便りがないこと自体、よい便りなのです

【経験則・生活の知恵】に関することわざ・格言・成語など

养生养老贵在养心 yăngshēng yánglăo guì zài yăngxīn
→養生・養老で大事なのは養心である

日々の生活の中で、また老後の暮らしにおいて、健康の維持増進を図るには、
心を治め、心を育み潤すことが実は一番大切である。
明るい気持ち、前向きな気分で心安らかに暮らせば、心身の健康を促し、長寿に繋がる。

現代の高度情報化社会はストレス多発社会でもある。
外界からの刺激は非常に多く、時には強烈でさえある。
勢い、人は激しい喜怒哀楽の反応を示し易い。
しかし、激怒・焦燥や深い悲しみは心に重圧やダメージを与え、
養心の大敵であるばかりでなく、肉体の健康をも損なう。

自然との調和・無理や気負いのないバランスの取れた自然体の生き方を説く「道教dàojiào」は、
古代中国社会が生み出し、連綿として現代にまで伝えられてきた宗教文化ですが、
今でも中国人の世界観・生き方に大きな影響を与えている。

没有消息就是好消息 méi yǒu xiāoxi jiù shì hăo xiāoxi
→便りがないこと自体、よい便りなのです/便りがないのは無事な証拠

★例文:
生活最好的状态就是无风无浪,因为这样就可以让人无忧无虑,清心安宁。
没有好的消息或者坏的消息传来,就是一种生活上的安稳,因此是好消息。
→暮らしの中のベストな状態とは、すなわちもめ事やトラブルのない平静な環境に身を置くことだ。
そうなれば、人は悩みも雑念もなく、日々安らかに暮らせる。
好い知らせも悪いニュースも入って来なければ、人は心安らかになれる。
だから、知らせがないこと自体、好い事であり、喜ぶべきことだという楽天的な考え。

▲ただこの慣用句を筆不精の人がチャッカリ返事をサボる口実に使うこともある。

中国社会でよく用いられる経験則や生活の知恵を内包した説得フレーズは枚挙に暇がない。
次話も引き続き、これを取り上げます。

(つづく/鄭青榮)