中国語あれこれ

中国流 説得スタイル ー表現解説集【第3話(I)】

《 中級会話エリアの穴場 》
【第3話(I)】(続)経験則・生活の知恵で説得するスタイル

“我并不是在教训你,只是想让你明白”
/私はなにもあなたを説教しようなんて思っていません、ただあなたに分かってもらいたい、それだけなのです

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我并不是在教训你,只是想让你明白 wŏ bìng bù shì zài jiàoxùn nĭ,zhĭshì xiăng ràng nĭ míngbai
→私はなにもあなたを説教しようなんて思っていません、ただあなたに分かってもらいたい、それだけなのです

誰でも人から説教されるのは嫌がるもの。
相手の自尊心を傷つけることを避けた説得の仕方は理に適っています。
説得すべき相手がメンツを重んじる中国人ならば、その顔を立てるよう注意を払うのは賢明なやり方と言える。

ところで「説得」と「説教」はどう違うのか?その線引きは微妙でなかなか難しい。
話す側と聞く側それぞれの心理的要素に左右されがちだからです。
話す側がよく言い聞かせて納得させようとすると、勢い相手からは説教、果ては叱責していると思われたりする。

まずは話す側の態度として、誠意や公正さが求められよう。
こうしてこそ、感情的に反発する相手の気持ちをなだめ、穏やかな話し合いに入る切っ掛けを掴むことができるに違いない。

この決め台詞をさらに敷衍すると、
我并不是在教训你,只是想摆事实讲道理好让你明白
→私はなにもあなたを説教しようなんて思っていません、
ただあなたに分かってもらいたい、そのために事実を並べて道理を述べたいと思っているだけなのです。

語注 :
并 bìng;【副詞】別に・決して(否定語を伴うと、弁解・反駁の口調を示す)
明白 míngbai;理解する
让 ràng;…させる(使役動詞)

(つづく 鄭青榮)