中国語あれこれ

中国流 説得スタイル ー表現解説集【第7話(A)】

《 中級会話エリアの穴場 》
【第7話(A)】物事に対する処理態度・方法に関する教誡・説得フレーズ

今話から、新たに【物事に対する処理態度について】をテーマに取り上げ、
説得力に富む関連日常フレーズと諺を紹介したいと思います。

慢慢来吧,总有办法的/现在还没到最后呢
ゆっくり考えて対処しよう、しまいに何か良い方法があるはずだ
/現時点で(この事は)まだ終わったわけではない

慢慢来吧,总有办法的 mànmàn lái ba,zǒng yǒu bànfă de
*来lái=做zuò;やる・行う・事を運ぶ
→じっくり考えて対処しよう、そうすれば、最後には何か良い方法があるはずだ。

これは、昔から中国人がよく口にする慣用句の一つです。

つまり「(問題にぶつかっても)慌てず急がす、ゆっくりと腰を落ち着けてあれこれと考慮し、対処すれば、
解決する良い方法や対策が見つかるものだ」と、
難題を前にして慌てる人をなだめたり、途方に暮れる人を励ましたりする時に用いられる。

中国といえば、広大な国土と悠久の歴史文化が大きな特色ですが、
そのような国柄と大陸的風土が育んできた、おおらかな国民性を表す慣用句だといえましょう。
類似表現に「办法总比困难多 bànfă zǒng bĭ kùnnan duō (結局、解決方法は困難よりも多いものだ)」がある。

この諺は、以前に取り上げた
车到山前必有路chēdào shānqián bì yǒu lù(窮すれば通ず/案ずるより産むが易し)」に類似した
人生態度・暮らしの知恵を反映しており、人生楽観主義の色彩が強い。

逆に「坐不住,等不起,慢不得,只争朝夕 zuòbuzhù,dĕngbuqĭ,mànbudé,zhĭ zhēng zhāoxī
(じっとして居られない、待っている余裕はない、ノロノロしていては大変なことになる、ただ一刻を争うのみだ)」はその正反対で、
喫緊の重要課題だから、早急に取り組む必要があると力説するときの言い方です。

ちなみに、かつて1980年代以降、中国市場に初めて進出した当時のトヨタは、
販路開拓のためにあるキャッチコピーを考案して宣伝攻勢をかけ、奏功した経緯があります。

じつはそれが一世を風靡したあの
车到山前必有路,有路必有丰田车chēdào shānqián bì yǒu lù yǒu lù bì yǒu fēngtián-chē
(窮すれば通ず、通ずる道にはいつもトヨタ車がある)」でした。
つまり、優秀なトヨタ車はどんな悪路、険路や隘路にも強く、どんなハードルでも乗り越えて行けるという巧妙なキャッチコピーだ。

中国人なら皆知っている諺をセールスに巧みに利用したこの宣伝文句は、
ある意味において「人の褌で相撲を取る」スタイルですが、
市場経済ルールに適った商魂たくましいやり方だとさすがの中国商人も舌を巻くほどでした。

(つづく 鄭青榮)