中国語あれこれ

中国語 <中級> 学習の急所 2

*副詞 名「脇役」物語*(第2話)

第2類 …話し手の語気を表す副詞群 (その1)

・却/可/又/毕竟
・简直/都/也/才/就/还
・究竟/正/反正
・反而/反倒/难道/何必

語気は、話されている事柄・内容に対する話し手の意志・考え・感情などの心的態度をより鮮明に映し出す鏡と言える。したがって、語気を通して聞き手は話し手の自分に対する態度をより的確に把握することもできるわけです。中国語の言語表現において、語気副詞は語気助詞(呢吗的了嘛吧啊…)以上に複雑で奥深い。

逆に言えば、その中に含まれている微妙なニュアンスや深い味わいを
読み取る際の大事な手掛かりが、「語気副詞」なのです。
代表的な例文をいくつか挙げると次のようになります。


事態に対する予想や通常の道理に反する意外な結果だ、と話し手が思った時の語気。
★なんと/意外にも/…にも拘らず/…それなのに/かえって

她有许多话要说,不知从哪儿说起。  彼女は話したいことがたくさんあるのに、かえってどこから話せばよいのかわからない有り様だ。
=話したければ、心置きなく自由に話せばいいのに)


①事態や事象が普通ではないと強調し、やや誇張を含む感嘆文に用いる。文末には“”、“”、“”などを伴う。“”を強めに発音する。

了不得啦,又下大雨啦! こりゃあどえらいことになったぞ、また大雨が降り出したよお。
是一件大事儿啊! これは紛れもなく大事だぞ。

②願っていたことが実現して、「ああよかった」という気持ちを強く示す語気。
★とうとう/ついに/やっと

妈妈的病好了,完全好了,这下我放心了。 かあさんの病気は治った、全快したよ、これで私はすっかり安心したわ。
回来啦!真把人急死了。 よくぞ戻って来てくれたねえ、
すごく気を揉んでいたんだぞ。

③後ろにつづく形容詞を強調する。
★ほんとうに/とっても/ものすごく

她待人好了,谁都喜欢她。 彼女は人にとっても親切なので、誰からも好かれています。

④願望や忠告を表す文に用い、願望や忠告の気持ちを強める語気。

这次是出远门儿,你要注意身体呀! 今度は長旅になるから、くれぐれも体を大事になさいよ。

⑤疑問の語気

你一向好? ずっとお元気でしたかね?

 


①行動が常軌を逸したり、矛盾したりしていて、変だと思う語気。

她爱逛商店,却怕花钱。 彼女は店を見て回るのが好きなくせに、お金を使うのは嫌がる。
她既然怕冷不愿意多穿衣服。 現に彼女は寒がりのくせに、厚着をしたがらない。
不是小孩子,怎么这么不讲理啊? おまえはいまさら子供でもないだろ、なんでそんなにわからず屋なんだ?

②反語の語気を強める。

下雪有什么关系?咱们照常锻炼。  雪なんか降っても何の影響があるっていうの?トレーニングはいつも通りやるまでさ。

 

語注:
毕竟:結局は・所詮・最終的な結論としては  ・简直:まるで・まるっきり
:…でさえも <连个人影儿看不见>
:…でさえも <连个人影儿没有>
:まあ……でしょう(語気の緩和)<音量就是这样了,不能再大了>
:こそ  ・:ほかでもなく・まさに
:それでも…か <都十二点了,你说早吗?>
究竟:いったい  ・:まさに  ・反正:どうせ  ・反而/反倒:逆に
难道:まさか…とでもいうのか  ・何必:…する必要がありましょうか

(鄭青榮・つづく)