中国語あれこれ

中国流 説得スタイル ー表現解説集【第8話(F)】

【第八話(F)】いぶし銀の大局観に秘められた強い説得力

*大局観関連のことわざ・慣用句*
知彼知己 百战不殆 / 小事件大趋势

知彼知己,百战不殆 zhī bĭ zhījĭ,băizhàn bù dài
→敵を知り己を知れば、百戦危うからず。

敵味方双方の兵力、装備、兵站体制、指揮官の経歴・戦績および戦術等を精緻かつ冷静に分析し、
加えて地形、気象、住民の動向・民心の向背など多様な要因を統合的に考慮した上で情勢を大局的に判断することができれば、
作戦行動を優位に展開し、勝利を収める可能性は著しく高まるといえる。
*殆 dài;【文章語】【形容詞】危うい

小事件大趋势xiăo shìjiàn dà qūshì
→小事件が映し出す時代の流れ。

小さな出来事でも世の中の大きな趨勢を反映するものだ。
些細な事だと軽んじないで、よく観察、分析すれば、その中から社会全体の大きな動向、つまり大局が見て取れる、というわけ。

例えば、ことわざの
一叶落知天下秋;yīyè luò zhī tiānxià qiū一叶知秋; yīyè zhī qiū”
→一葉散って天下の秋を知る、がよい例。
まだ残暑のつづく夏の終り頃、緑の樹々から地面に落ちる一枚の枯れ葉を見て、人々は秋の到来に気付く。
一枚の枯れ葉の凋落は「小事件」だが、秋の到来という「大きな趨勢」を反映している。

人生无法完美 rénshēng wúfă wánměi
→人生は完璧になりえない。
完璧な人生を望むのは無理である。
幼年期、青年期、壮年期、老年期すべてを通じて平穏・順調・成功・健康・安全・幸福というわけにはいかない。
人生全体を一つの総体として大局的に観れば、そう言える。

(つづく 鄭青榮)